Use Drizzle for Database ORM

コンテキスト

モダンなTypeScriptアプリケーションにおいて、データベースとの相互作用を効率的かつ型安全に行うためのORM（Object-Relational Mapping）ツールの選択が必要である。従来のORMは多くの抽象化を提供する一方で、パフォーマンスの問題や学習コストの高さ、複雑なクエリの生成といった課題を抱えている。

現代のWebアプリケーション開発では、型安全性、パフォーマンス、開発者体験のバランスが重要視されており、これらの要件を満たすORM選択が求められている。

決定事項

データベースORMとしてDrizzle ORMを採用する。

選択肢

選択肢1: Drizzle ORM

利点:
- TypeScriptファーストの設計による完全な型安全性
- SQLに近い直感的なクエリビルダー
- ゼロランタイムオーバーヘッドによる高いパフォーマンス
- 軽量なライブラリサイズ（約12KB）
- Edge Runtime対応
- SQLマイグレーション機能
- 複数データベース対応（PostgreSQL、MySQL、SQLite）
- Relationクエリによる関連データの一括取得でN+1問題を回避
欠点:
- 比較的新しいライブラリのため情報が少ない
- 複雑なORM機能（Active Record パターンなど）は提供しない
- エコシステムがまだ発展途上

選択肢2: Prisma

利点:
- 豊富なドキュメントと大きなコミュニティ
- 強力なスキーマ管理機能
- GraphQLライクなクエリAPI
- データベース管理ツール（Prisma Studio）
- マイグレーション機能
欠点:
- 大きなランタイムオーバーヘッド
- クエリエンジンによる複雑性
- Edge Runtime対応の制限
- 独自のスキーマ言語の学習コスト

選択肢3: TypeORM

利点:
- 成熟したライブラリ
- 豊富な機能セット
- Active Recordパターンサポート
- デコレーターベースの設計
欠点:
- 重いランタイム
- TypeScript型安全性の不完全さ
- 複雑な設定
- パフォーマンスの問題

結果

この決定による影響を記述する。

ポジティブな影響:
- 開発時の型安全性向上によるバグの早期発見
- SQLに近い記述による学習コストの低減
- 軽量なライブラリによるバンドルサイズの削減
- Edge環境での実行可能性
- 高いパフォーマンスによるアプリケーション応答速度の向上
ネガティブな影響:
- 新しいライブラリのため既存の知見が活用しにくい
- コミュニティリソースが限定的
- 複雑なORM機能への依存があるチームには学習コストが発生
リスク:
- ライブラリの将来的なサポート継続性
- 複雑なデータベース操作における機能不足の可能性
- チーム内でのノウハウ蓄積に時間が必要